第1章 M100をADBで認識する

本章では、Vizix M100(以下、「M100」)をADB (Android Debug Bridge)から、開発用のAndroid端末として認識するための手順を解説します。

読み進めるには、Android SDKが正しくセットアップされているPC(以下、「開発用PC」)が必要です。

注意

開発用PCのOSがWindowsの場合、次に説明する「デバイスドライバのインストール」を完了するまで、M100と開発用PCをUSBケーブルで接続しないでください。

M100は、USBケーブルで開発用PCと接続します。しかし、そのまま接続してもADBは、開発用のAndroid端末として認識しません。

M100がデバイス一覧に表示されない

$ [ANDROID_SDKディレクトリ]/platform-tools/adb devices
* daemon not running. starting it now on port 5037 *
* daemon started successfully *
List of devices attached

M100でアプリ開発を始めるには、以下の手順が必要になります。

1.1 デバイスドライバのインストール

この手順は、開発用PCのOSがWindowsの場合に必要です。

android_winusb.infに追記する

開発用PCにインストールしているAndroid SDKのextras\google\usb_driverディレクトリを開きます*1

[*1] 該当するディレクトリがない場合は、"SDK Manager"を起動して、"Google USB Driver"をインストールしてください

次に、android_winusb.infをメモ帳などのエディタで開いて、リスト1.1の内容を加えます。

内容は、[Google.NTamd64][Google.NTx86]それぞれで同じですが、追記する場所には気をつけてください。

リスト1.1: android_winusb.inf

[Google.NTamd64]
; ... [Google.NTamd64]の最後に以下の行を追加する ...
;Vuzix M100
%SingleBootLoaderInterface% = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01A9
%SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01A9
%CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01A9&MI_01
%SingleBootLoaderInterface% = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01B2
%SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01B2
%CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01B2&MI_01
%SingleBootLoaderInterface% = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01AF
%SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01AF
%CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01AF&MI_01

[Google.NTx86]
; ... [Google.NTx86]の最後に以下の行を追加する ...
;Vuzix M100
%SingleBootLoaderInterface% = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01A9
%SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01A9
%CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01A9&MI_01
%SingleBootLoaderInterface% = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01B2
%SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01B2
%CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01B2&MI_01
%SingleBootLoaderInterface% = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01AF
%SingleAdbInterface%        = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01AF
%CompositeAdbInterface%     = USB_Install, USB\VID_1BAE&PID_01AF&MI_01

デバイスドライバのインストール

M100と開発用PCを、USBケーブルで接続します。

コントロールパネルからデバイスマネージャーを開きます(図1.1)。

M100のアイコンに黄色い!が表示されている

図1.1: M100のアイコンに黄色い!が表示されている

黄色い!が表示されているM100を右クリックして、"ドライバー ソフトウェアの更新"を選択します。

ドライバの場所を指定

図1.2: ドライバの場所を指定

表示されるダイアログ(図1.2)で、"コンピューターを参照してドライバー ソフトウェアを検索します"をクリックします。

ドライバの場所を指定

図1.3: ドライバの場所を指定

「次の場所でドライバー ソフトウェアを検索します:」に、インストールしているAndroid SDKのextras\google\usb_driverディレクトリを指定して、「次へ」ボタンを押します(図1.3)。

"署名のないドライバー"に関するエラーが表示される場合がありますが、続行してください。

ドライバの更新完了

図1.4: ドライバの更新完了

"ドライバーソフトウェアが正常に更新されました"と表示されれば、デバイスドライバーのインストールは完了です(図1.4)。

開発用PCのOSがWindows 8以上で、図1.5のエラーが表示された場合は、Windows 8の「ドライバー署名の強制」を無効にして、再度ドライバーをインストールしてください。

ドライバー署名の強制が有効になっている

図1.5: ドライバー署名の強制が有効になっている

1.2 adbの設定

M100を正しく認識するには、adbの設定が必要です。

add-onの追加

開発用PCにインストールしているAndroid SDKのadd-onsディレクトリを開きます。

add-onsディレクトリに、新しくaddon-m100-vuzix-15ディレクトリを作成します。

addon-m100-vuzix-15ディレクトリに、新しくmanifest.iniファイルとsource.propertiesファイルを作成し、それぞれ内容をリスト1.2とリスト1.3のようにします。

リスト1.2: manifest.iniの内容

# SDK Add-on Manifest.

name=M100 Development Kit
name-id=vuzix_m100
vendor=Vuzix Corporation
vendor-id=vuzix
description=M100 Development Kit

# Version of the Android platform on which this add-on is built.
api=15

# Revision of the add-on.
revision=1

usb-vendor=0x1bae

リスト1.3: source.propertiesの内容

Addon.NameDisplay=M100 Development kIt
Addon.NameId=vuzix_m100
Addon.VendorDisplay=Vuzix Corporation
Addon.VendorId=vuzix
AndroidVersion.ApiLevel=15
Pkg.Desc=M100 Development Kit
Pkg.Revision=1

adb情報の更新

manifest.iniファイルとsource.propertiesファイルの作成が完了したら、追加したadd-onを元に、adbの情報を更新します。

更新には、android update adbを使います。androidコマンドは、Android SDKのtoolsディレクトリの中にあります。

adbの更新

$ [ANDROID_SDKディレクトリ]/tools/android update adb
adb has been updated. You must restart adb with the following commands
        adb kill-server
        adb start-server

adbの再起動

更新を完了したら引き続き、更新された情報を再読み込みするためにadbを再起動します。

adbの再起動

$ [ANDROID_SDKディレクトリ]/platform-tools/adb kill-server
$ [ANDROID_SDKディレクトリ]/platform-tools/adb start-server
* daemon not running. starting it now on port 5037 *
* daemon started successfully *

adb devices

adb devicesを実行して、M100が正しく認識されていることを確認します。

adb devicesの結果

$ [ANDROID_SDKディレクトリ]/platform-tools/adb devices
List of devices attached
M001000XXX      device

以上で、adbの設定は完了です。